建築物の建築にはさまざまな業種がり、電気配線工事もそのうちのひとつであります。

このうち屋内配線は、電線管への配線やケーブルラック配線、天井や壁のいんぺい配線などで構成されています。これらは、用途や配線するケーブル数にあわせて選択されています。配線数が少ない場合はいんぺい配線とすることが多く、線数が多い場合や電源と弱電系統とを並べて配線する場合はケーブルラックが選択されます。大規模な建築物などでは、火災防止の観点から防火区画の設置が義務付けられていて、多くのケーブルを区画貫通させる場合は配線ダクトが選ばれます。

機械室や電気室などにおいて、多くの屋内露出ケーブルを保護したい場合や将来工事での作業によって損傷を受けない目的で、配線ダクトを選択することもあります。区画貫通が必要な配線ダクトは、その素材を金属製にしなければなりません。ただし、人が容易に触れることができる場所に設置するダクトは、本体を接地する必要があります。

配線ダクトには、その内断面積の2割までのケーブルを入れることができ、それが弱電配線ならば5割まで可能です。配線ダクトを吊り下げる際には、吊りピッチを3メートル以下にしなければならず、ダクト同士の接続を行う場合は、機械的接続に加えて電気的接続を行なわなければなりません。多数のケーブルを安全にかつ確実に収納できるのがダクトであります、大がかりな施工になるため、施工の前に空調や給排水衛生の機器や配管と干渉しないように、施工図による協議を行って、施工の順序などについて担当者間で打ち合わせておくべきであります。