塩害の多い地方ではケーブルの設置にも工夫が必要

海に近い地域では、よく塩害対策の必要性が言われています。

塩害とは塩分を含んだ風や雨水などが与える悪い影響のことで、よく知られているのは農作物への被害です。ほとんどの植物は塩分の多い環境では生きていくことができないため、水や土壌の塩分濃度が高くなると、畑や水田などにおける作物の生育に支障を来します。また、塩分には腐食作用があるため、コンクリートにひび割れを生じさせたり、鉄筋を錆びさせたりすることがあります。そのため、ビルや住宅などの建築物にも塩害対策が必要となります。建物本体ばかりでなく、外部に露出しているテレビのアンテナやエアコンの室外機などにも対策が必要です。

さらに細かく見ていけば、そうしたアンテナやエアコンなどに使用されている接続ケーブル、あるいは電柱から建物に電気を引き込むためのケーブルなども塩害に注意しなければなりません。通常、ケーブルは絶縁体に覆われており、複数のケーブルを束ねても流れる電流が混線しないような構造になっていますが、塩分の影響を受けるとこの絶縁体が劣化してしまうことがあります。

さらに、塩水には真水よりも電気を通しやすい性質を持っているため、中の電線が露出すると漏電が起きやすくなってしまいます。こうしたことから、塩分による被害を受けやすい地域において電気設備を設置する時は、塩害に強い特殊なコーティングを施したケーブルを使用したり、風雨に直接触れないようダクトレールの中に格納したりといった対策が必要となります。

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